「ストリートダンスの舞台藝術化」──2020年冬、推薦入試の面接の場で熱弁を振るった。東大生となった今も複数のイベントへの出演を控え、自ら踊るだけでなく舞台藝術の演出にも取り組んでいる。最近はロボットのように人間離れした動きを多用する、アニメーションダンスを使った新たな表現の軸に挑戦中だという。
「ダンスに突き動かされてきました」。生来のステージ好きで、個性を抑え付けられるのは苦手。画一的な小学校教育が合わず、学校に通えなくなった。そんな中、見学に行った中学校のダンス部のパフォーマンスを見て憧れた。入学後すぐに入部届を出し、ダンスがきっかけで中学に進学してからは登校できるようになった。部活動でダンスに励む中、世界的ダンス大会World Of Danceに出場を決めた日本チームの追加メンバー募集を見つけた。中学3年生ながらオーディションに見事合格し、開催地・米国ロサンゼルスの土を踏んだ。以来、プロの大人に交じってコンテストに出場し、時にはチームのリーダーを務め経験を積んできた。
ストリートダンスはくすぶる若者のエネルギーの爆発として生まれた。それが現在は一つの作品として、振付師とダンサー双方が個性を表出し合う場になったのだと話す。培われた自己表現力は自分の強みだ。
演劇、音楽、写真、エトセトラ。好奇心の矢印はあちこちに伸び、日々前進し続ける。