一枚の紙から世界を折り出す
幼少で折り紙に触れて以来、日々精巧な作品を生み出す折り紙作家。東大に入学してから自分なりの表現を考えるようになった。昨年は仏像『胎内仏』を折り、全国学生アートコンペ「学展」で外務大臣賞を受賞。数々のメディアに取り上げられる腕前を持つ。
折り紙には「理系的な面白さと文系的な面白さ」があるという。構造を考える段階では最適な配置を論理的に追い求め、仕上げでは芸術的な感性で作品を磨く。また「真面目に芸術作品を作るには確固たる思想が必要です」。制作を通じて思考を深め、視野を広げることも魅力の一つだ。
現在は内定先の工学部計数工学科で機械学習や神経科学を学ぶ傍ら、創作や取材などを多忙にもこなす日々。将来は「何か新たな価値を作り出したいです。それに折り紙がつながればうれしいですね」。穏やかな笑顔で語る将来が、今から楽しみだ。