去る6月26日、今年で73回目を数える東京大学・京都大学対校競漕大会(京大戦)が行われ、医学部対校舵手付きフォアでは惜しくも敗北を喫したものの、男子付きペア、対校女子付きフォア、対校男子エイトは全て勝利し、総合力の高さを見せつけた。また、対校男子エイトは2年連続の勝利となった。(寄稿=東京大学運動会漕艇部)
東京大学・京都大学競漕大会は、大正13(1924)年に第1回が瀬田川で行われた旧制一高・三高戦に起源を持ち、戦後1950年にこれを継承する形で復興された。本大会は例年、2年生以下のジュニア選手の対校戦として行われ、瀬田川と埼玉の戸田公園で隔年開催されることが特徴だ。今年は、瀬田川開催となったため東大漕艇部は計4日間の遠征となった。また、瀬田川開催の対校戦では、イギリスのオックスフォード大学・ケンブリッジ大学の競漕大会である「The Boat Race」にちなみ、約半分の3200mで行われる。
以下、各レースを振り返る。
まずは、オープン男子舵手付きペア。漕手の羽賀(文Ⅲ・2年)、鹿出(文Ⅰ・2年)はともにジュニアであるが、今回は、東大・京大ともにコックスを上級生が務めたため、オープン種目扱いとなった。東大のコックスは、2年生から対校エイトを任され、5月の東商戦で対校エイトを14年ぶりの勝利に導いた土方(工・4年)。ミーティングを重ね、忌憚(きたん)なく意見をぶつける中で成長を遂げたクルーは、スタートから飛び出すとそのまま京大を突き放し、1分以上の大差をつけて圧勝を収めた。
次に、対校女子舵手付きフォア。女子は、江口(養・4年)、平松(文・4年)、森田(工・4年)の4年生3名、磯崎(文Ⅲ・2年)と青木(農・3年)の2、3年生各1名の学年混合クルーを結成して臨んだ。コミュニケーションを重視して練習に取り組んできた女子フォアは、序盤から中盤にかけて接戦となるも、コックスの青木のコールに応え、約10秒差をつけて勝利した。
最後に、対校男子エイト。男子エイトは、コックスも含めて9人全員が2年生で結成された。国体優勝経験のある小野田(工・2年)や浦和高校ボート部出身の佐々木(文Ⅱ・2年)をはじめ実力派が揃い、下馬評は高かった。ところが、いざクルーを組んでみると8人の動きはバラバラでなかなか艇速も出ない。コックスの大星(理Ⅰ・2年)を中心に毎日ミーティングを重ね、少しずつクルーが1つにまとまり出し、本番の1週間前にはクルーの全員が勝利を確信するに至った。レース本番ではスタート段階で一時、京大の後塵を拝したものの、1000m地点手前で追い抜き、最後は30秒以上の大差をつけて勝利した。
今回の京大戦は対校戦初勝利の者も多く、大きな収穫を得た。この経験を糧に、9月に控えるインカレ(全日本大学選手権)、さらにはジュニア選手の集大成である全日本新人選手権に向けて、さらなる進化が期待される。
東京大学運動会漕艇部
漕手 中村耕大
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