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2022年1月31日

【北京五輪アイスホッケー】圧倒的なスピード感と激しいコンタクトによる迫力が魅力

 

 2月4日に開幕を控える北京冬季オリンピック。前回大会で金メダルを獲得したフィギュアスケート男子の羽生結弦選手や、日本史上初の銅メダルを獲得したカーリング女子のロコ・ソラーレが出場するなど、今大会も氷上の熱い戦いに目が離せない。今回はカーリング、フィギュアスケート、アイスホッケー、スキー(ジャンプ、クロスカントリー、アルペン)の6種目について、各競技の「見どころ」を解説してもらった。第2回はアイスホッケーで、東京大学運動会スケート部アイスホッケー部門による寄稿。(寄稿=並木晴人)

 

陸上競技とは比べものにならない圧倒的なスピード感

 

 他の球技のボールにあたるのが黒い硬質ゴムからできた「パック」で、アイスホッケーはこれをスティックでゴール目掛けて打ち合い得点を競う競技です。リンクはバスケットボールコートが4面収まる広さで、周囲は高さ1mほどの透明なボードに囲まれています。他の球技と異なり、ゴール裏を使えるのが大きな特徴です。試合時間は20分×3ピリオドで、プレイヤー5人+ GK1人がリンクに上がります。プレイヤーはいつでも何度でも交代でき、1回当たりの滞氷時間は長くても60秒程度です。これは運動量が多く体力の消耗が激しいためで、10~15人ほどが絶えず入れ替わりながら出場しています。故意でなくとも危険なプレーを行って反則を取られた場合、ペナルティ・ボックスに閉じ込められ、原則2分間の退場となります。退場の間は5人vs4人の「パワープレイ」と呼ばれ、5人のチームにとって得点のチャンスです。

 

 アイスホッケーの魅力は圧倒的なスピード感にあります。陸上競技とは比べ物にならないスピードで動ける上、シュートの速度は時速160キロを超えることも。プレイヤーの交代も絶えず行われるため試合展開も目まぐるしいです。また、パックを所持する選手に対して体を当てるボディチェックによりパックを奪うことが許されており、激しいコンタクトによる迫力も大きな魅力です。ただし、きちんとルールに則って行う必要があり、危険なコンタクトは反則退場となります。

 

スピード感あふれるスケーティング(写真はスケート部アイスホッケー部門提供)

 

 試合中に時折一対一の殴り合いが始まることがありますが、驚くことにレフェリーも止めません。多くのスポーツでご法度の殴り合いですが、アイスホッケーではスポーツの一部です。チームの士気を高め、スター選手を激しいボディチェックから守るという意味があります。試合の流れを変えるファイティングにも要注目です。

 

 日本代表の注目選手は、3大会連続女子日本代表の正GKを務める藤本那菜選手です。2015年の世界選手権ではセーブ率93.75%を記録し、日本人選手初の個人賞となるベストGKを受賞。そんな世界屈指の守護神の一番の持ち味は動きの速さです。現在世界ランク6位と十分メダル圏内のスマイルジャパンを悲願のメダル獲得へ、藤本選手の活躍に期待がかかります。

 

スケート部アイスホッケー部門のメンバー(写真は部の提供)

 

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