2月4日に開幕を控える北京冬季オリンピック。前回大会で金メダルを獲得したフィギュアスケート男子の羽生結弦選手や、日本史上初の銅メダルを獲得したカーリング女子のロコ・ソラーレが出場するなど、今大会も氷上の熱い戦いに目が離せない。今回はカーリング、フィギュアスケート、アイスホッケー、スキー(ジャンプ、クロスカントリー、アルペン)の6種目について、各競技の「見どころ」を解説してもらった。第1回はカーリングで、東大出身で現日本カーリング協会マーケティング委員・国際特別委員の岩永直樹さんによる寄稿。(寄稿=岩永直樹)
「氷上のチェス」と称されるほどの頭脳戦が魅力
カーリングは1998年の長野オリンピックからメダル競技として採用されて以降、年々認知が高まっており、2018年の平昌オリンピックでの女子チームの活躍や「そだねー」の流行語も記憶に新しいところではないでしょうか。
カーリングはチームで8投、相手チームと合わせて16投のストーンを交互に投げ合い、相手チームより的(ハウス)の中心に近い位置にストーンを配置することを目指す競技です。野球のイニング(回)に相当する「エンド」を10回繰り返すため、試合時間は約3時間にも及びます。単純なショットの成功率だけでは勝敗は決まらず、氷の状況(ストーンの滑りやすさや曲がり幅)の見極め、的確な状況判断が重要で、スポーツでありながら「氷上のチェス」と呼ばれるほどの頭脳戦が魅力です。
北京オリンピックにはロコ・ソラーレが日本代表として出場します。北海道銀行フォルティウス(現・フォルティウス)との決定戦を制し日本代表の座を射止め、さらに昨年12月にオランダで開催された世界最終予選を勝ち抜いた彼女たちが再びのメダル獲得を目指します。試合中の非常に明るいコミュニケーションやハーフタイムでの「もぐもぐタイム」に注目が集まるチームですが、その裏で頭脳をフル回転させているのがスキップ(最終投者)の藤澤五月選手です。どんなに強い相手でもメンタル面で引けを取ることなく立ち向かっていく強さを持っており、負けられない大舞台で集中が高まったときの迫力は圧巻です。
オリンピックのカーリング競技には世界各国の強豪10チームが出場、特に今大会の女子はメダル候補が8チームとも言われており熾烈(しれつ)を極める戦いとなることが予想されます。日本の初戦は前回大会の金メダルチーム・スウェーデンで初戦から大一番となります。オリンピックの舞台は、予選から決勝まで10日間以上も競技が続く長丁場になります。感染症対策にも緊張感がある中、集中力を保ちながら、しっかりと駆け抜けられるよう、熱い応援を是非よろしくお願いします!!