硬式野球部(東京六大学野球)は5月20日、法政大学とリーグ戦を戦い、11―0の大敗を喫した。今季安定した投球を見せていた先発の鈴木健(育・4年)がこの日は5回途中6失点(自責点5)と粘り切れず。打線も相手投手陣を前に三塁ベースを踏むことすらできず、完封負け。21日の2回戦も0―2の完封負けで、今季成績は1分10敗の最下位で確定した。(取材・清水央太郎)
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試合前に51季連続の最下位が確定してしまった東大。それでも2017年秋以来6年ぶりの勝ち点獲得に向けて大切な最終戦であることに変わりはない。ゲームメイク力に長けた鈴木健がマウンドに上がったが、珍しくストライクが入らない。二つの四球を足がかりに2点を奪われてしまう。その後も立て続けにピンチを迎え4回表も1死二塁から右前安打を浴びてしまう。追加点かと思われたが、ライトの酒井捷(文Ⅱ・2年)が矢のような好返球で走者を補殺。見せ場を作ったものの、5回表に再び今季好調の法大打線に捕まってしまう。一死の間に4本の安打を浴び、3点を奪われたところで降板した。
一方東大打線の前に立ちはだかったのは、プロ注目の相手先発篠木。今季防御率0点台の好投手を前に内野安打に四球、さらには盗塁を絡め2度得点圏に走者を進めることに成功。しかし最速157kmの直球は外野に飛ばすことすら難しく、得点には繋げられなかった。
鈴木の後を受けた長谷川大智(文・3年)も5点を失うなど、粘り切れず終わってみれば11失点の大敗。今季2位へ躍進を見せた法大に力の差を見せつけられる展開となった。
この試合こそ大敗したものの、鈴木健と松岡由機(経・4年)の2枚看板は最後までフル回転。特に松岡は防御率3点台を記録し、2年生時から期待されてきたポテンシャルを覚醒させる春となった。一方打線は新戦力の台頭で厚みが増したものの、中軸を担うはずの別府洸太朗(育・4年)と梅林浩大(育・4年)のバットからも快音は十分に響かず。チャンスメイクに長けた優秀な脇役が随所にそろう今季の東大打線だけに、彼らの整えた舞台で華麗に舞う千両役者の復活が待たれる。
大久保助監督のコメント
何とか勝利をと臨んだ最終法政戦も連続完封負けを喫してしまい、今季リーグ戦はチームスローガンの勝ち点には遠く及ばない1分10敗に終わり大変残念で悔しい思いです。
そんな中でも先発投手陣が期待通りの力を発揮してくれて終盤勝負の試合運びをほぼ毎カード展開出来た事は秋につながる収穫だと思います。また守備面では大崩れする様な場面もなく守れたと思いますが内野手の送球ミスや外野手のポジショニングの問題などで残念な失点も見受けられました。更に攻撃面では期待の中軸打撃陣の不信が最後まで響いて途中打線組替えなどの工夫もしましたが、立教1回戦で5点差を追いつき引き分けに持ち込むのが精一杯という状況でした。
秋のリーグ戦に向けてはこうした春の反省点、課題を細かく整理してそれらを克服出来る様な練習に取り組んで参ります。
引き続いてのご声援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
梅林主将のコメント
春季リーグ戦では、投手の頑張りを筆頭に守備面での成長が光りました。その一方で攻撃面では他大学の力のある投手陣を思うように攻められず、得点力不足という課題が浮き彫りになりました。秋季リーグ戦にはそうした課題をチームとして解決し、目標である勝ち点奪取、最下位脱出を達成します。