硬式野球部(東京六大学野球)は11月8日、1、2年生が出場する秋季フレッシュトーナメントの初戦で慶應義塾大学と戦い、16―6(七回コールド)で大勝した。この日の東大打線はとどまるところを知らず、23本の安打を量産。先発の平田も六回3失点の好投を見せた。東大はその後2試合を戦い、フレッシュトーナメントの最終結果は1勝2敗で4位となった。新人戦での最下位脱出は18年春以来。(取材・川北祐梨子)
東大|1062205|16
慶大|2000103|6
この日の東大打線は絶好調。三回表、フレッシュトーナメントでキャプテンを務める山口真之介(理II・2年)の二塁打を皮切りに、杉浦海大(文I・1年)、西前颯真(理II・2年)、内田開智(理II・2年)の3選手も二塁打を放つなど、この回だけで7安打。6点を挙げて慶大の投手3人をノックアウトし、7―2と大きくリードした。
先発は、今秋のリーグ戦でも登板した平田康二郎(文III・2年)。「東大の大エース」と呼ばれた井澤駿介(農・4年)の背番号11を引き継いだ。一回裏にリードを許すも、変化球で着実にストライクを重ねるなど、ランナーを出しながらも要所で打者を打ち取る底力を見せる。打線が大量得点を挙げた直後の三回裏、四球で招いた無死一二塁のピンチを無失点で切り抜け、大きな歓声と共にベンチに迎え入れられた。
その後も打線は着実に点を重ね、六回終了時点でスコアは11―3。平田もたびたびランナーを背負いながらも失点は最少限に抑えた。「よっしゃ、よっしゃ」と手ごたえを噛みしめるようにつぶやきながら、笑顔でマウンドを後にした。
規定により、七回終了時点で7点差があるとコールドゲームが成立する。七回表、ファンの期待に応えて東大打線がまたも爆発。1年生捕手・杉浦の右安打に始まり、酒井捷(文II・1年)、西前、内田、藤田峻也(理I・2年)、松原周稔(理II・2年)まで驚異の6連打。勝利をさらに近づける打者一巡の猛攻で5点を追加した。勝負の七回裏には中村薫平(文II・2年)が登板。四球と安打で二死満塁のピンチを招くも3失点で踏みとどまり、16―6。歴史的大勝の瞬間を迎えた。
♢
慶大戦では打線の爆発とともに、東大ベンチの明るさが際立った。リーグ戦では他大学に比べてベンチからの声援が小さい印象の東大だったが、慶大戦では慶大に劣らない声援と、選手らのはつらつとした表情が見られた。来季のリーグ戦では東大野球部にどんな変革が起こるのか、目が離せない。
山口キャプテンのコメント
皆様の応援のおかげで、フレッシュトーナメントにおいてコールド勝ちを収めることができました。フレッシュでの経験をリーグ戦に活かせるよう精進してまいります。今後とも応援よろしくお願いします。
【記事修正】2022年12月9日午前11時42分 一部表現を修正しました。