東大硬式野球部(東京六大学野球)は9月21日と10月4日に慶應義塾大学とリーグ戦2、3回戦を戦いそれぞれ9―1、2―20で敗れた。いずれの試合でも投手陣が慶大の強力打線相手に踏ん張り切れず、決壊。悔しい力負けとなった。(取材・清水央太郎)
慶大2回戦 打線つながらず、序盤に突き放される
慶大|310300002|9
東大|000100000|1
台風14号の影響で3日間順延した末に開催された2回戦。慶大に対し5年ぶりの勝利を収めた1回戦の勢いそのままにマウンドに上がった先発の井澤駿介(農・4年)はこの日、初回にいきなりの被弾。3回4失点で降板し、試合をつくれなかった。後を受けた松岡由機(経・3年)も四回に一発を浴びるなど、1回戦の勝利に貢献したWエースがこの日は精彩を欠いた。
打線も序盤は毎回のように走者をためたものの、つながりを欠き無得点。四回にプロ注目の阿久津怜生(経・4年)が今季2本目のソロ本塁打を放ち反撃の狼煙(のろし)こそ上げたが、続く打者はおらず。
その後は両投手陣の投げ合いが続く展開に。九回にも2点を加えられた東大は2桁失点こそ免れたものの悔しい力負け。勝ち点獲得は、次戦以降に持ち越しとなった。
慶大3回戦 屈辱の毎回失点で惨敗
東大|000000020|2
慶大|51211415x|20
2017年秋季以来、5年ぶりの勝ち点獲得を目指したこの日も、井手峻監督はエース井澤をマウンドに送り込む。期待に応えたい井澤は初回、簡単に2死を奪うが、中軸を抑え切れずあっという間に5失点。この回限りでKOとなった。
その後は期待の二刀流、鈴木太陽(文Ⅱ・2年)が初めて神宮のマウンドに登るなどめでたい場面こそあったものの、プロ注目の強打者ひしめく慶大打線の勢いは止められず。スコアボードに0を刻めないまま、試合は終盤に突入する。
ここまで慶大先発の増居を打ちあぐねていた打線は八回、別府洸太朗(育・3年)の適時打などで2点を返すが、その裏に5失点。先発全員による計24安打を受け20失点の、悔しい大敗を喫してしまった。
1回戦の勝利が嘘かのような敗北を喫してしまったが、今季の東大は首位を独走中の明大から唯一の引き分けを奪うなど、その実力に疑いの余地はない。5年ぶりの勝ち点、そして井澤と阿久津のドラフト指名を目指し最終カードでの奮起を期待したい。