硬式野球部(東京六大学野球)は10月26日、法政大学と1回戦を戦い、0-2で敗れた。東大は通算50試合目の登板ながらいまだ勝ちのない先発の小林大雅投手(経・4年)が二回と八回以外走者を出さない安定した投球を見せるが、打線がつながらず完封負けとなった。東大は10月27日午前11時からの第1試合で、負ければ今季最終戦となる法大との2回戦に臨む。
東大|000000000|0
法大|02000000X|2
勝:朝山(法大) 負:小林大(東大)
打線は初回、先頭の辻居新平選手(法・4年)が左中間を破る二塁打で出塁。試合前時点で今季打率1割以下と不振に苦しむ主将が、リーグ最終節の口火を切る。しかし、後続が凡退してこの回は無得点。二回には2死から打席に立った小林投手が片手でうまく中前まで運び出塁するが、続く大音周平選手(理Ⅱ・2年)は三ゴロに倒れ得点できない。
小林投手は持ち前の打たせて取る投球で、初回を三者凡退に抑える。しかし、二回、先頭打者に中前打で出塁を許すと、その後盗塁などで2死二塁と得点圏に走者を背負う。ここで迎えたのは、7番と下位ではあるものの今季打率3割超えと好調な相手打者。そこで東大は申告敬遠で2死一二塁とし、今季打率1割台の次打者との勝負を選択する。しかし小林投手はいきなり二塁へのけん制球を悪送球し、2死二三塁とピンチを広げる。さらに4球目のツーシームを右前に運ばれて、法大に2点を先制される。
三回以降の小林投手は、七回まで1人の走者も出さない好投を披露。「今日は直球が良かったので、変化球がより生きた」と振り返るように、130キロ台中盤ながらキレのある直球と120キロ台中盤のツーシーム、そして時折見せる100キロ台のカーブの組み合わせで法大を翻弄し、毎回のように三振を奪う。八回には2死から左中間へフェンス直撃の二塁打を喫するが、次打者を内野フライに打ち取ってこの回も無失点。8回3安打2失点、86球で完投する。
しかし打線は、安打こそ出るもののつながりを欠く。五回には連続三振後の2死から大音選手が右中間を破る三塁打で出塁するが、続く新堀千隼選手(農・3年)は落ちる変化球にバットが空を切り三振。六回には先頭の辻居選手がこの試合2本目の安打となる右前打で出塁し、犠打と進塁打で三塁に進む。しかし四番の青山海選手(育・4年)は直球に押されて追い込まれると、最後は新堀選手同様変化球で空振り三振に倒れる。投手が代わった七回以降も無安打に終わり、計4安打と安打数では法大を上回ったものの、最後まで小林投手を援護できずに敗れた。次戦は負ければ4年生にとって最終戦となる2回戦。今季は惜しい試合が続いているだけに、有終の美へまずは1勝をもぎ取りたい。
◇小林投手の話
未勝利で終わるか1勝して終わるかには大きな差がある。2回戦でも投げるつもりなので、これまで登板してきた50試合分の経験を51試合目となる2回戦にぶつけたい。
(湯澤周平)