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2019年9月14日

硬式野球 開幕戦は延長12回を戦うも春王者の明大に惜敗

 硬式野球部(東京六大学野球)は9月14日、明治大学との秋季リーグ開幕戦を戦い、2-4で敗れた。東大は四回、石元悠一選手(育・3年)が右翼越えの本塁打を放ち先制する。その後逆転されるが、八回に青山海選手(育・4年)の適時二塁打で同点に。試合を延長戦に持ち込むが、150球超えの力投を見せた小林大雅投手(経・4年)が十二回に2点を失い、敗れた。東大は9月15日午後1時30分(予定)から、明大との2回戦に臨む。

 

今季から4番に座る青山選手。八回に適時二塁打を放ち一時同点とする(撮影・関根隆朗)

 

明大|000002000002|4

東大|000100010000|2

勝:森下(明大) 負:小林大(東大)

 

 東大は序盤、大学No.1投手の呼び声が高い、相手先発の森下暢仁投手(4年)から毎回走者を出す。しかし、ピンチで150キロ台の直球を連発して抑える森下投手をなかなか攻略できない。森下投手と投げ合う小林投手は、走者を背負いつつ打ち取る粘りの投球。打たせて取る持ち味を生かし、明大に得点を許さない。

 

打たせて取る投球がさえた小林投手(撮影・関根隆朗)

 

 東大が均衡を破ったのは四回。1死から6番の石元選手が甘く入った134キロのカットボールを強振。浜田一志監督が期待を寄せる3年生が右翼越えのソロ本塁打を放ち、先制する。

 

四回に先制本塁打を放ちホームインする石元選手。「直球に張っていたが、甘く入ったカットボールにうまく対応できた」(撮影・藤田創世)

 

 好投を続ける小林投手だが、六回に明大打線につかまる。安打と犠打で1死二塁とされると、打席には森下投手。初球の緩い変化球を左中間に運ばれ、同点とされる。続く打者にも初球を弾かれ、逆転を許す。しかし、七回以降は再び打たせて取る投球で明大に追加点を与えない。

 

 すると八回「夏のオープン戦で逆転勝ちを多く経験し、勝ち方を分かってきた」(浜田監督)東大が反撃を開始する。まずは先頭打者で、故障から復帰した新堀千隼選手(農・4年)が出塁すると、1死後の青山選手への2球目で相手バッテリーの乱れを見逃さず二塁に進塁する。ここまで2三振と森下投手に苦しんでいた青山選手だが、追い込まれた後の151キロの直球を右中間に弾き返して同点に。なおも1死二塁の好機とするが後続は打ち取られ、試合は延長戦に突入する。

 

 昨季の延長サヨナラ負けの雪辱を期したい東大だが、延長でも最速152キロの直球を計測する森下投手から得点を奪えない。すると十二回、投球数が130球を超えて疲れの色を隠せない小林投手が、連打で1死一三塁のピンチを招くと、中犠飛で勝ち越される。守備のミスも絡み、なおも2死三塁とされると、続く打者に二塁への絶妙なセーフティーバントを決められ、追加点を許す。その裏の攻撃で東大は代打攻勢に出るが、三者凡退に終わり敗戦。それでも昨季の優勝校相手にあと一歩に迫り、昨季不振だった小林投手が12回を完投するなど、価値ある試合となった。

 

◇浜田監督の話

 小林投手は150球までなら投げさせるつもりだった。彼の最後のシーズンだし、後悔させたくなかったので、継投は考えていなかった。相手先発の森下投手に力及ばなかったが、選手はよくやった。

 

◇小林投手の話

四球を出しながらのらりくらり投げる従来のスタイルではなく、無駄を省く意識で投げた結果、球数を減らして長いイニングを投げられた。今日の接戦を契機に「東大はぬるくない」と他大学に意識付け、焦りを誘いたい。

 

 

(湯澤周平)

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