硬式野球部(東京六大学野球)は10月1日、早稲田大学との1回戦に臨み、0─4で敗れた。先発の小林大雅投手(経・3年)は初回以外毎回安打を打たれる苦しい投球も、八回を2失点にまとめる。しかし打線が甲子園優勝経験を持つ相手先発・小島(おじま)和哉投手に散発4安打に抑えられ、四死球で得た好機も併殺などで生かせなかった。次は明日の10月2日10時30分から、早大との2回戦を戦う。
早大|002000002|4
東大|000000000|0
小林投手は二回、1死から109キロのカーブを右中間に弾き返され三塁に走者を背負う。続く打者のゴロの間に本塁へ突入されるが、二塁手・新堀千隼選手(理Ⅱ・2年)が冷静に本塁へ返球し、先制を許さない。三回には2死から連打で一二塁と再びピンチを迎える。今度は試合開始前時点で打率4割を超える相手3番打者に右中間へ適時打を浴び、先に2点を失う。
今秋のドラフト会議で上位指名も予想される小島投手への対策として、配球パターンを分析したりピッチングマシンを小島投手と同様の球筋に設定したりと「ものすごく対策してきた」(浜田一志監督)という東大打線。しかし、140キロ前半の速球と120キロ前後の緩い球を織り交ぜた投球に翻弄(ほんろう)される。失点直後の三回には二塁に走者を進めるも、その走者が挟殺され逸機。四回には宇佐美舜也選手(法・4年)の二塁打に、四死球を絡めて1死満塁と攻め立てる。しかしここで登場した6番・青山海選手(育・3年)は速球で追い込まれた後、落ちる球を引っ掛けてピッチャーゴロ。前試合で1死満塁の好機を併殺でつぶした「六大学最重量選手」がまたも併殺を喫し、無得点に終わる。
小林投手は四回以降も毎回安打を浴びるが、要所で変化球を低めに集め、追加点を許さず八回107球2失点で降板。しかし打線は小島投手を最後まで攻略できなかった。試合開始前時点で打率5割を誇った辻居新平選手(法・3年)もこの日は無安打。今季初の完封負けを喫した。
(児玉祐基)
◇浜田監督の話
──今季初の完封負けをどう受け止めているか
小島くんのピッチングが本当に素晴らしかった。今まで対戦したピッチャーと比べて1ランクレベルが上だった。
──小島投手が制球を乱す場面もたびたび見られたが
要所要所で、うちの主軸にインコースのカットボール、アウトコースのチェンジアップを交ぜてきた。下位打線や代打には(そのような球は)使っていない。ここ一番で、そういう球で抑えられた。マックス140キロ台中盤のボールはスピードというより、非常にキレがあった。
──小島投手対策は
ものすごくしてきた。ただ、うちのバッターの力量を向こうが上回った。
──先発の小林投手は粘りのピッチングを見せた
合格点だと思う。ヒットは打たれたものの要所は締めて。ああいうピッチングを続けていけば、彼は今シーズン勝ち投手になると思う。期待しています。
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