硬式野球部(東京六大学野球)は9月18日、勝てば2002年秋以来の勝ち点奪取となる慶應義塾大学との2回戦を戦ったが、1―4で敗れた。東大は一時追い付く粘りを見せるも、再度勝ち越された。慶大との対戦成績を1勝1敗とした東大は、明日19日午後1時から悲願の勝ち点を懸けて、慶大との3回戦を戦う。
慶大|000120100|4
東大|000100000|1
東大先発の濱﨑貴介投手(理Ⅱ・2年)は自身最速の141キロをマークするも、序盤から制球が安定しない。三回までは相手打線の早打ちにも助けられ無失点で切り抜けるが、四回は先頭から2連打を浴び無死一三塁のピンチに。1死を取るが、相手8番に中前適時打で1点を先制される。
しかし、1回戦で今季最多の5得点を挙げて波に乗る東大打線は簡単に引き下がらない。直後の攻撃、1回戦で自身初となる本塁打を放った新堀千隼選手(理Ⅱ・2年)が三塁線を破る二塁打でチャンスメイクすると、四球と安打で1死満塁に。6番・山下朋広選手(文Ⅱ・2年)が初球を振り抜くと、打球は前進守備の間をセンターへ抜ける適時打となり同点に追い付く。なおも1死満塁で一気に逆転と行きたい場面だったが後続が打ち取られ、同点止まりで攻撃を終える。
濱﨑投手は続く五回も続投。しかし疲労の見え始めたところで慶大打線に捕まる。1死三塁から二者連続四球で満塁とされたところで、濱﨑投手は降板。代わった宮本直輝選手(文Ⅲ・2年)が、犠飛と左前適時打で勝ち越しを許す。宮本投手は七回にも2本の長打などで追加点を許し、3点をリードされる展開になる。
勝ち点奪取に向けて何とか食い下がりたい打線だが、五回以降は慶大先発の高橋亮吾投手(2年)を打ち崩すことができない。10三振を喫し完投勝利を献上。投手陣が9回まで4失点と踏ん張りを見せただけに、悔やまれる敗戦となった。
(文・関根隆朗)
◇浜田一志監督の話
――今日の試合を振り返って
五回に追い付いたときに、一気に逆転して流れを持ってくることができなかった。3~4点勝負だと思っているので、9回を4点に抑えた投手陣は合格点。代打陣も成功率5割というのは素晴らしい。今日は3、4番が抑えられたが、明日こそ仕事をしてくれると期待している。五回に好機で山下に回ってきたところは代打も考えたが、四回辺りから山下の好きな外中心の配球になっていたので、そのまま行かせた。
――けがで出遅れていた主将の山田大成選手(育・4年)が、今日からベンチ入りしている
声出し要員としてね。やっぱりチームの軸であるキャプテンがベンチにいるというのは大きい。
――明日への抱負を
勝ち点を取る。ただそれだけです。応援してください。
◇山下選手の話
――五回の同点打を振り返って
チーム全体として良いムードだったので積極的に行った。監督からも「思い切って行け」と言われていたので、初球から振っていった。打ったのはストレート。外角高めの甘い球で、センターから右方向を意識した。
――明日に向けては
自分はまだレギュラーではない。1打席に集中したい。
◇濱﨑投手の話
――今日を振り返って
自分では納得いってない。五回は、先頭から2連打を浴びて正面から勝負に行けなかった。ただ開幕戦よりは緊張せず、修正できた。
――最速141キロが出た
それは気付いていなかった。140キロを越えられたのは走り込みやウエイトの成果だと思う。
――五回の壁を越えられない
自分はまだ先を見て体力を温存する投球をするレベルにない。フィジカルをしっかり鍛えて、行けるところまで行くように努めます。
◇1回戦で完投勝利を挙げている宮台康平投手(法・4年)の話
――今日は準備していたのか
「リードしていたら行く」と言われていたので準備はしていた。昨日はジョグとストレッチをして今日に備えていた。疲労はあるが、投げることはできる。試合に入ったら気にせず全力でやりたい。
――明日は勝ち点のチャンスです
まだ登板するか未定だが、明日で終わりなので力を出し切りたい。
2017年9月19日18:06【記事修正】第5段落「1回戦では五回途中でノックアウトした相手に、」の部分に事実誤認があったため該当箇所を削除しました。
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