硬式野球部(東京六大学野球)は4月16、18、19日に明治大学と対戦し、2回戦で山田大成選手(育・3年)が同点の九回裏にサヨナラ打を放ち今季初勝利を挙げた。明大戦の勝利は2004年秋以来。3回戦は2桁失点で敗れ、1勝2敗で02年秋以来の勝ち点は逃した。1回戦の開始前、熊本地震の被災者に黙とうがささげられた。
開幕3試合で無安打と苦しんだ大砲が暴れ出した。2回戦の初回、山田選手は2死二塁の好機で打席に向かう。打球はボテボテのゴロになるも、これが内野安打となり初安打をマーク。さらに二塁手の悪送球も絡んで待望の東大の今季初得点を導く。
六回に追い付かれて同点で迎えた九回、またも2死二塁で山田選手が打席に。「自分で決めてやろうと思った」という気持ちで振り抜くと、打った瞬間サヨナラ打と分かる痛烈な打球となり、チームに今季初勝利をもたらした。
3回戦でも大量リードされた八回に右中間スタンドに完璧な当たりを飛ばし、自身公式戦3本目となる本塁打を放って存在感をアピール。山田選手は15年春から毎シーズン1本ずつ本塁打を打っており、このペースを続ければ東大記録である通算6本塁打の更新も視野に入る。3番打者の力強い打撃が、得点力不足のチームの起爆剤となる。
◇山田選手のコメント
――3試合無安打と苦しむ打席が続いたが、その間はどのようなことを考えていたのか
チャンスで凡退することが多く自分の不調がそのままチームの攻撃に悪影響を与えていると感じていたのでとても焦っていました。
――2回戦でサヨナラ打を放った時の心情は
自分が決めてやろうと思って打席に立ちました。打った瞬間抜けたと思いました。ずっと迷惑をかけていたのでほっとしたというのが一番最初の気持ちでした。
――3回戦で本塁打を放った時の感触はどうだったか
大量リードされている展開だったのでなんとか点を取りたいと思って打席に立ちました。打った瞬間は入らないかなと思いましたがギリギリ入ってくれてよかったです。
――今後の試合の抱負をお願いします
春季リーグも中盤戦です。必ず勝ち点を奪い、最下位を脱出します。応援よろしくお願いします。
◇各試合の概要
●1回戦(16日)
東大|000000000|0
明大|000000001X|1
先発の宮台康平投手(法・3年)は初回から無失点投球を続け、打線の奮起を待つ。東大は九回、1死三塁で仕掛けたスクイズがフライとなり併殺で絶好機を逃す。その裏、宮台投手は1死三塁からスクイズを決められ、早稲田大学戦に続くサヨナラ負けを喫した。
硬式野球部 宮台投手の好投実らず、またもサヨナラ負け
●2回戦(18日)
明大|000002000|2
東大|200000001X|3
東大は初回、1死二塁から山田選手の内野安打と失策の間に二塁走者がホームイン。今季28イニング目で初得点を挙げる。連打で満塁とし、喜入友浩選手(育・4年)の中前打で2点目を奪う。
先発の柴田叡宙投手(育・3年)は六回に追い付かれるが、七回以降は有坂望投手(文Ⅲ・2年)が3回を無失点。すると九回裏、2死二塁から山田選手が右中間を破る適時打を放ちサヨナラ勝ちを収めた。
硬式野球部 山田選手のサヨナラ打で今季初勝利
●3回戦(19日)
東大|000000030|3
明大|11102502X|12
先発の宮台投手は中2日の疲れで直球はほとんど130キロ台前半とキレがなく、三回までに3失点。四回から登板した有坂投手も五、六回に失点する。八回に山田選手の本塁打で3点を返すのがやっとで、投手陣が12失点と崩壊し層の厚さの差を見せつけられた。
硬式野球部 山田選手が本塁打放つも、投壊で勝ち点ならず
(文・竹内暉英)
2016年4月26日号に掲載した記事を一部抜粋・編集した記事です。本紙では、その他オリジナルの記事も掲載しています。
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