硬式野球部(東京六大学野球)は23日、法政大学と対戦して6―4で勝利し、更新中だった連敗記録を94で止めた。3度逆転が起きる白熱した試合となり、延長戦の末、東大が粘り勝った。2010年秋季リーグ戦で早稲田大学に勝利して以来、9季ぶりの白星となった。法大に勝利するのは2008年秋季リーグ戦以来13季ぶり。
東大 0000200202|6
法大 0100003000|4
八回表、山田大成選手のスリーベースヒットで同点に
一回表
先頭の長藤祥悟選手(文・4年)は三ゴロに倒れ、続く打者2人も連続三振。相手投手の140㌔を超える直球と130㌔前後の変化球に翻弄(ほんろう)され、的を絞り切れない。
一回裏
先発は山本俊投手(工・3年)。最速146㌔の直球を中心に投球を組み立て、先頭、2番打者を外野飛球に打ち取る。3番打者には四球を出すも、続く打者を打ち取り、幸先の良い立ち上がりとなった。
二回表
楠田創選手(理Ⅱ・2年)は三振に倒れるも、山田大成選手(文三・2年)が右前打を放つ。続く田中朗士選手(農・3年)の三ゴロで2死二塁の好機を作る。ここで喜入友浩選手(育・3年)が左前打を放つも、相手外野手が前進守備をしていたため、走者が本塁に帰ることができない。山本俊選手が二ゴロに倒れ、無得点。
二回裏
好機で得点できない嫌な流れの中、先頭に二塁打を浴びていきなりピンチを迎える。2者連続外野飛球に打ち取り、2死二塁まで持ち込むも、四球で走者を出して2死一二塁となる。すると相手投手に中前適時打を打たれ、先制を許す。
三回表
阿加多優樹選手(経・4年)は三ゴロに倒れ、長藤選手が四球で出塁するも後続が断たれて好機を作れない。
三回裏
山本俊投手は四球で走者を出すも、他をきっちり打ち取り、4人で攻撃を終わらせる。
四回表
楠田選手が中前打で出塁すると、2者連続犠打で2死三塁とする。しかし、あと一本が出ず、得点できない。
四回裏
先頭を打ち取った後、安打と四球で1死一二塁とされる。しかし、続く打者に三ゴロを打たせ、併殺で切り抜ける。
五回表
先頭の山本俊選手が中前打で出塁すると、四球で無死一二塁の好機を作る。犠打で1死二三塁とすると、打席には主将の飯田裕太選手(農・4年)。その3球目、飯田選手がバントの構えからワンバウンドした球を見逃すと、相手捕手が後逸。相手バッテリーは球がバットに当たっていると勘違いし球を追わなかったが、判定はボール。走者2人が一気に帰還し、思いがけない形で逆転した。
五回裏
五回から投手は三木豪投手(農・3年)に代わる。三木投手は球を低めに集める丁寧な投球で危なげなく締めくくる。
六回表
この回から相手投手も交代。新たに出てきた投手に完璧に抑え込まれ、三者凡退。
六回裏
東大はこの回から宮台康平投手(文Ⅰ・2年)が登板。先頭に右前打を打たれるも、最速143㌔の直球と120㌔後半の変化球を効果的に使って後続を打ち取る。
七回表
相手投手を攻略できず、この回も三者凡退。
七回裏
宮台投手は先頭を四球で歩かせるも、すぐさま牽制球で仕留める。しかし、内野安打を許すと、続く打者には痛烈な中前打を浴び、1死一三塁のピンチを迎える。すると相手の3番打者に左中間を破る痛恨の適時三塁打を浴び、逆転される。さらに犠飛で追加点を許し、2点差とされる。
八回表
東大はこの回から登板した法大の3人目の投手の立ち上がりを攻める。先頭の長藤選手が死球で出塁すると、続く飯田選手も四球で出塁。山本克志選手はショートに高く跳ねるゴロを打ち、走者を進める。1死二三塁の場面で4番楠田選手が高い右飛球を放ち、これが犠飛となって1点を返す。なおも2死三塁で、打席には山田選手。2球目の真ん中よりの直球を振り抜き、右中間を破る適時三塁打を放つ。これで法大に追い付き、ゲームは振り出しに戻る。
八回裏
この回からは柴田叡宙投手(理Ⅰ・2年)が登板。いきなり死球で走者を出すも、後続を打ち取り、無失点で切り抜ける。
九回表
東大は三者凡退に終わり、攻撃の糸口をつかめない。
九回裏
柴田投手の粘り強い投球で、三者凡退に抑える。試合は延長戦へ突入。
十回表
東大は長藤選手が中前打で出塁すると、飯田選手はバントの構えを見せる。相手がバントシフトを敷き、三塁手が突進してきたのを見ると、飯田選手はバスターに切り替え、中前打を放つ。
無死一二塁となったところで山本克志選手が確実に送りバントを決め、1死二三塁と好機を広げる。
10回表、山本克志選手が確実に送りバントを決める
続く楠田選手がセカンドへゴロを打つと、三塁走者の長藤選手が本塁に突っ込む。際どいクロスプレーとなったが、主審の判定はセーフ。逆転に成功する。
楠田選手の盗塁によりなおも1死二三塁の状況で、山田選手の打球はファーストへ。この打球に三塁走者飯田選手は迷わず本塁を狙い、追加点を挙げる。積極的な走塁で得点に結び付けた。田中選手が死球で出塁し、1死満塁となるも、喜入選手、柴田選手は凡退した。
十回裏
柴田投手は先頭、続く打者を飛球に打ち取り、2死を取る。中前打を打たれ、出塁を許すも、最後の打者を3球三振に仕留め、勝ち投手となった。
東大は10年秋季リーグ戦以来の白星を挙げ、連敗記録を94で止めた。
この試合の詳細は、本紙6月2日号で詳しく報じる予定です。