設立2年目の新しいサークルでありながら、30人以上の部員が集まる「新体操サークルazul claro(アスル・クラロ)」。東大唯一の新体操サークルとして成長中だ。駒場祭の公演に向けた練習に、1日だけ仲間入りしてきた。
休日の朝9時、文京区の江戸川橋体育館に12人の部員が集まった。早速おしゃべりに花を咲かせ、和気あいあいとした雰囲気。最初の20分間ほどは皆思い思いに柔軟体操をしている。さすがは新体操サークルの部員、全く新体操経験のない記者には信じ難い柔軟性を持っている。
その後すぐに演技練習が始まった。「余裕があるときは1時間くらい筋トレや柔軟体操、基礎練習をしますが、今は駒場祭が近いので」とサークル創設者の五十嵐真純さん(医・4年)。 3、4人ずつのグループに分かれ、鏡を見ながらお互いに指導し合う形で練習している。
その傍ら、振り付けを吟味しながら改良を重ねていく様子が印象的だ。ポーズ一つを取っても、足を伸ばすのと軽く曲げるのとどちらが良いか綿密に検討している。外部のコーチはいないが、部員の8割以上が新体操経験者とあって練習のレベルは高い。
10時30分ごろから通し練習。駒場祭公演の1曲目、レディ・ガガの曲に合わせて軽やかに踊る。 2回踊り終えると、演技を見ていた部員がアドバイス。「振りが頭に入っていない人はちゃんと覚えてきて」「姿勢が悪いし何だか未完成って感じがする」と、先ほどの和やかな空気とは打って変わって厳しい声も飛ぶ。通し練習には到底参加できず見学を決め込む記者も、つい神妙に聞き入ってしまう。
11時ごろから各自の担当する手具を使っての練習に入る。リボン、フープ、ボール、クラブを操るしなやかな動作に目を奪われた。リボンを回しながら跳んだりボールを手に乗せたまま前転したり、どれも人間離れした動きに見える。
11時30分ごろから再び通し演習。こちらは駒場祭公演の2曲目、ディズニーの曲に合わせ手具を使って踊る演技だ。振り付けは全て自分たちで考えているという。「本当の競技では、動きの美しさだけでなく、振り付けが曲に合っているか、構成は面白いかといった点も評価の対象になります」。最後はその日の反省とストレッチで締める。
設立から間もなく丸2年。ここまでの道のりは平坦ではなかった。設立者の五十嵐さんは、普段の練習場所や出演させてくれるイベントを探して奔走してきた。ホームページを使った宣伝が奏功し、今では34人の部員を擁するインカレサークルに成長した。
駒場祭の2日目、11月23日午後1時25分から新体操の動きを取り入れたダンスパフォーマンスを披露する。「部員一人一人が自分の得意な手具を使う演技が見どころです」。大学では珍しい新体操サークルを育ててきた部員たちの心意気に、元気をもらった。
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2014年11月4日発行号に掲載(所属などの情報は当時のものです)。