学術ニュース

2019年4月12日

ステーキ状「培養肉」の人工的作製に成功

 竹内昌治教授(生産技術研究所)は日清食品ホールディングス株式会社との共同研究で、牛肉由来の筋細胞からサイコロステーキ状のウシ筋組織を作ることに世界で初めて成功した。人工的なステーキ肉の実用化への第一歩となる。(図)

 

(図)ステーキ状の培養肉(写真は生産技術研究所提供)

 

 世界的な食肉需要の増加に伴い、自然環境への負荷が少なく衛生管理が容易な人工肉が注目されている。ただ、従来の研究ではミンチ肉の作製が中心だった。

 

 今回の研究では、培養過程でビタミンCを投与して筋細胞の成熟を促進。厚みのある培養肉を作るため筋細胞をゲル状の支持体で立体的に培養したところ、筋組織に特有の縞状構造を持つ細い筋組織の生成にも成功した。さらに、筋細胞の集合体を積層して培養することでサイコロステーキ状の筋組織を作製した。今後、より大きな人工筋組織で「培養ステーキ肉」の実用化が期待される。

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