アメリカンフットボール部(関東1部上位TOP8・Aブロック)は11月23日、明治大学と二次上位リーグ最終節を戦い31―7で敗れた。幸先良く47ヤード(yd)のビッグゲインで先制したものの、その後は得点を奪えず。TOP8残留は確定させていたが、二次上位リーグは3連敗での最下位という結果でシーズンの幕は閉じた。(取材・清水央太郎)
明大|7 0 10 14|31
東大|7 0 0 0|7
泣いても笑っても今季の、そしてチームを支え続けた4年生のラストゲームの舞台は激しい雨が降りしきる横浜スタジアム。雨天時はボールが滑るため、手先での繊細なコントロールが必要なパスプレーを避けるのがセオリーだ。
第1クオーター(Q)、明大のキックオフの後は両チームともセオリー通りランプレーを主体に攻撃を組み立てる。普段からランプレーを攻撃の軸にしている東大にはもってこいの展開となった4分、東大はランニングバック(RB)佐藤雅人(工・4年)が密集を抜け出し、47ydのビッグゲインで先制。このままリードを保ちたいところだったが8分には追い付かれてしまう。
第2Qでもランプレーが続くが、両チームともその傾向を読んでいるため膠着(こうちゃく)状態が続く。そんな中、明大が裏をかいたパスプレーを試みるも、これをディフェンシブバック・田上椋(法・4年)がインターセプト。相手の攻撃の芽を摘み得点への起点をつくるが、得点にはつなげられない。結局同点で試合を折り返した。
ところが後半、試合は一気に明大に傾く。明大のRB、モバイルクオーターバック(QB)のランが猛威を奮い、第3Q開始4分に勝ち越しを許す。その後は粘りも見せたが、10分にもフィールドゴールを決められ10点ビハインドに。激しい降雨による劣悪なグラウンドコンディションに比例するかのように、苦しい試合展開となる。
第4Qでもこの流れは続き、このQだけで14失点。何とか反撃したいところだったが、ランプレーの流れを読まれ、攻撃権の更新すらままならない。結果、24点の大差をつけられての敗北となった。
今季総括
中大戦での劇的な逆転勝利で幕を開けた今季は、早大や法大といった強豪チーム相手に終盤まで競る好ゲームを披露するなど、全敗に終わった昨季の屈辱を払拭するシーズンとなった。複数のQB、RBが軸になって繰り出す多彩なランプレーで相手チームを翻弄し、昨季完敗した強豪相手に互角な戦いを繰り広げた一方、ファンブルミスなどで大事な試合を落とす一幕もあった。一定のメンバーが残る来季以降、より完成度の高いプレーでTOP8を登り詰めてもらいたい。