アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグ上位TOP8)は9月29日、リーグ戦第3戦を法政大学と戦い、21―24で敗北した。東大はTOP8初勝利とはならなかったものの、一時同点に追い付く熱戦を演じ、手応えを感じさせる内容となった。第4戦は10月13日午前11時から、慶應義塾大学日吉キャンパス陸上競技場で立教大学と戦う。
東 大|0777|21
法政大|140010|24
ここまでの2戦、いずれも第1クオーター(Q)に先制を許している東大。この日も試合開始早々、先制となるタッチダウン(TD)を許すと、第1Q終了間際にもTDを決められてしまう。追い掛ける東大は第2Q、パスとランを織り交ぜながら前進。クオーターバック(QB)伊藤宏一郎選手(文・4年)のランで7点を返し、食らいつく。
第3Q前半、東大はインターセプトとファンブルリカバーで立て続けに好機を作る。しかし2度のインターセプトを生かせなかった前回の明治大学戦同様、この日もあっさりと攻撃権を手放してしまう。
面白いのは、2度好機を逃した後に「三度目の正直」があるところまで、前回の試合と同じ展開が待っていたことだった。東大はファンブルリカバーを生かせなかった直後、法大の攻撃を1分ほどで退け、50ヤードライン付近で攻撃開始となる。足をつった伊藤宏一郎選手に代わり、パンターも務める伊藤拓選手(育・4年)がQBに。フィールドを広く使ったパスでじわじわと前進し、最後はQB自ら中央をこじ開けようとするも、相手選手も負けじと押し返す。あと一歩届かない、そう思われた直後、伊藤拓選手の周りに他の選手たちが集まり後押しする。一丸となった選手たちはそのままエンドゾーンへ。今季初めて1試合当たり複数回のTDを決め、同点に追い付く。
喜びもつかの間、第4Q前半には法大にフィールドゴール(FG)とTDを許し、点差を10点とされる。さらに試合時間残り2分半にもFGのピンチを迎える。しかし、ここでボールをはじくことに成功すると、後方に転がったボールをいち早く拾い上げた浜崎颯一郎選手(文・3年)がそのままフィールドを独走。幸運な形で、3点差に詰め寄るTDに成功した。
最後は相手チームに時間を消費され、逆転はならず。運が東大に味方した部分もあり「3点の点差以上の実力差がある」(森清之ヘッドコーチ)。それでも一戦一戦選手たちの練習の成果は着実に出てきており、TOP8での初勝利も近いと思わせる内容だった。
(小田泰成)