アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグ上位TOP8)は5月19日、オープン戦第3戦を慶應義塾大学(同TOP8)とアミノバイタルフィールドで戦い、7―41で敗北した。東大は格上相手にいい流れを引き寄せられず、失点を重ねる展開となった。第4戦は5月26日午後2時から、法政大学(同TOP8)と法政大学武蔵小杉グラウンドで戦う。
東 大|0 0 0 7|7
慶應大|10 7 10 14|41
第1クオーター(Q)序盤、東大はスナップの乱れから相手選手にパントを弾かれてしまうと、宙に浮いたボールをキャッチした相手選手がそのままフィールドを独走。先制のタッチダウン(TD)を許す。以降も相手は中距離を確実に稼ぐパスや、フィールドを縦横無尽に駆け巡るランを披露。対する東大の守備陣は「元々フィジカルで劣っている上、時間が経つにつれて体力を消耗し、より押し負けるようになっていった」(森ヘッドコーチ)。攻撃陣は全体的にランで力負けする場面が目立ち、パスの成功率も上がらない。
東大はインターセプトなどのファインプレーこそ散見されるも、次のプレーにつながらず、いい流れをつかめない苦しい時間帯が続く。多少のミスや反則をものともしない力強さと、相手のミスに付け込むしたたかさを持つ相手に、終始ペースを握られてしまう。象徴的なのが第4Q前半だ。クオーターバックの伊藤宏一郎選手(文・4年)から相藤潤之介選手(文Ⅱ・2年)に鋭いパスが通るも、前を向いて走り出したところで激しいタックルに遭いファンブル。これを相手に拾われて攻撃権を奪われると、フィジカルで勝る相手のランをなかなか止められず、TDを許す。
それでも第4Q後半、八尋誠選手(農・4年)のファンブルリカバーが決まり、敵陣で攻撃権を獲得する。この試合しぶといランを何度も披露してきた大路航輝選手(経・4年)をはじめ、多彩な攻撃で着実に前進。最後はパスを受けた永幡洸裕選手(工・4年)が倒れ込んでTDを決める。「攻撃陣が苦しい中、守備陣が敵陣でボールを奪い、数少ないチャンスを生かせたのは良かった」(関主将)。しかし直後に東大は自陣奥深くで再びボールを後逸すると、相手にファンブルリカバーからTDへと持ち込まれ、万事休す。後味の悪い結果となってしまった。
(小田泰成)
◇森清之ヘッドコーチの話
今の実力はこんなものかな、と思う。ただ、主力選手を欠いた際にバックアップの選手がフィールドに立つと、途端にチーム全体の戦力が下がるなど、層の薄さが露呈した。あらゆる面で負けており、いいところはあんまりなかった。
◇関剛夢主将(工・4年)の話
力負けした。あらゆる面で差を感じたが、特に粘り強さや最後までやり切る力といった、意識の差を感じた。これはすぐにでも直せる部分なので、改善したい。