アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグBIG8)は11月4日、リーグ戦第5戦を横浜国立大学とアミノバイタルフィールドで戦い、17―7で勝利した。東大は今季初めて先制を許す苦しい展開の中、粘り強い攻撃で逆転し、チャレンジマッチ(関東学生1部リーグTOP8との入れ替え戦)進出に大きく前進した。第6戦は11月18日午後6時15分から、桜美林大学とアミノバイタルフィールドで戦う。
東 大|00710|17
横国大|7000|7
対戦する横浜国立大学は、昨季チャレンジマッチ進出をかけたリーグ戦最終戦で敗れた因縁の相手だ。今季ここまで全勝同士の両チームの対戦は、今季のチャレンジマッチ進出を大きく左右するとあって、スタンドには大観衆が集まった。
第1クオーター(Q)、東大は永幡洸裕選手(工・3年)へのロングパスなどで攻め込み、フィールドゴール(FG)のチャンスを得るも相手守備陣に弾かれ、先制点を奪えない。両チームの守備陣が活躍し、膠着(こうちゃく)状態のまま迎えた第1Q終了間際、自陣奥深くでの攻撃開始となった東大がランプレーでファンブル。相手守備陣にすかさずボールを拾われると、そのままエンドゾーンまで走られタッチダウン(TD)を決められる。痛恨の先制点を許し、今季初めて相手を追う展開となる。
巻き返したい東大は第3Q終盤、快足を誇る荒井優志選手(経・4年)にボールを集め、短い距離を確実に進む。QB(クオーターバック)の伊藤宏一郎選手(文・3年)がタックルを浴びるなど、堅固な相手守備陣に何度も3rd downまで追い込まれるもその度に攻撃権を更新し、じりじりと敵陣に侵入。東大側スタンドを埋め尽くす観衆の大歓声も選手の背中を押す中、最後は伊藤選手が自ら守備陣の正面を割るランプレーでエンドゾーンへ。執念でTDをもぎ取り、同点とする。
第4Q、相手の攻撃陣が反則などで思うように攻め込めない中、試合は徐々に東大のペースとなり、鍵和田祐輔選手(医・4年)を中心としたランプレーが次々と成功する。6分近くにわたる攻撃で60ヤード以上前進すると、最後は伊藤選手がエンドゾーン左サイド隅へと投げ込んだパスを古賀福丸選手(法・4年)がナイスキャッチ。待望の勝ち越し点にはスタンドが大きく沸いた。
直後、相手攻撃陣に自陣32ヤードまで攻め込まれるも、4th downギャンブルを選択した相手のランプレーに懸命の守備で応戦。攻撃権更新の行方はレフェリー検証までもつれ、会場が固唾(かたず)をのんで見守る。結果、わずかにヤードが残っており、勝負あり。試合残り3秒で駄目押しのFGを決めるなどクレバーな攻撃も目立ち、接戦をものにした。
(吉良椋)
◇森清之ヘッドコーチの話
前半思い通りにいかなかったが、後半は焦らずいつも通りできた。「いつも通り」と口で言うのは簡単だが非常に難しい、選手たちが本当によくやってくれたと思う。(次戦の相手である)桜美林大学は、映像を見る限り、フィジカルやスキル、経験値などがBIG8の中でも特に優れている。しっかり準備をして臨みたい。
◇楊暁達主将(工・4年)の話
試合の流れ、みたいなものは考えていない。いつも「一つ一つのプレーを集中する」ということは意識していて、そのプレーの結果はどうなるか分からないが、次のプレーに引きずらないようにしている。今回は気持ちを切らさなかった結果、試合後半に良い結果が出たのだと思う。次の試合もタフなものになるが頑張りたい。