アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグ)は6月11日、オープン戦第4戦を中央大学(関東学生1部リーグ)とアミノバイタルフィールドで戦い、7―39と大敗した。東大は試合開始直後にキックオフリターンタッチダウン(TD)を決められるなど第1クオーター(Q)だけで18点を失うとその後も失点を続け、攻撃では大差の付いた終盤に1TDを返すのがやっとだった。今季のオープン戦はここまで4戦4敗。オープン戦最終戦となる第5戦は6月24日午後1時30分から、防衛大学校(関東学生3部リーグ)と戦う。
東 大|0007|7
中 大|18777|39
中大レシーブで始まった試合開始直後、東大のキックは距離が出ず相手レシーバーは自陣20ヤード付近でボールをキャッチ。東大の守備陣形が整わない間に隙間を抜かれると、誰も追い付けず80ヤードの独走でTDを奪われる。東大はキックオフを捕りこぼすミスが出て反撃もままならないまま、今度は44ヤードのロングパスをフィールドゴールにつなげられ失点。さらに相手の1年生ランニングバックにも24ヤードのTDランを許し、第1Qだけで18-0と一方的な展開になる。
第2、第3Qにも1回ずつTDで失点して迎えた第4Q、残り5ヤードで相手の攻撃を食い止めた東大はここから反撃。クオーターバックの松下嶺選手(育・4年)が自らのランや右へのパスを交えて攻撃をつなぎ、この試合初めて敵陣に到達する。残り30ヤードで第4ダウン残り7ヤードと追い込まれるも、走りながら永幡洸裕選手(理Ⅰ・2年)に投げたパスが通り攻撃権を更新。残り12ヤードから樋山大郎選手(理Ⅱ・2年)が左に走ってそのままエンドゾーンを駆け抜け、試合残り1分31秒で今季オープン戦初のTDを奪った。
7点に物足りない東大は続くキックオフで、連続攻撃権獲得を狙ってボールを地面に転がすオンサイドキックを蹴るも、これは失敗。直後に中大のパス中心の攻撃でTDを許し、7-39で大敗した。
(文・竹内暉英)
◇森清之ヘッドコーチの話
――今日の試合を振り返って
今の力はこんなものということ。フィジカルが弱くスキルが不足しているから勝てない。ここをうまくやっていれば勝てたという試合ではなかった。勝つためには強く、うまくならないといけない。
――試合後、選手にはどんな言葉を掛けたのでしょうか
まあ、さっき言ったようなことですね。全員がこれ以上できないくらい気力がみなぎって精神的に充実していたら勝てたのかというと、そういうわけではない。気持ちでどうにかなる問題ではなく、具体的に強くならないと勝てない。
――最後にTDを奪うなど成長は感じられました
1本返せたのも、どっちかというと向こうが選手を入れ替えているからで、だからどうこうという話ではないですね。
――今日の試合の収穫は
練習の成果が出ているところもあれば、やっぱりできていないこともある。何人かはうまくなって結果が出せており、少なくとも退歩はしていない。進歩の度合いが遅い、現状のレベルが低いというのはあるが。
――秋のリーグ戦に向けての課題は
ここを鍛えればいいというレベルではなく、スキルやフィジカル、取り組み方やプレーへの理解など、あらゆるレベルが低い。今日こういう点差だったからこうするということはなく、やるべき最低限に達するため今まで通りやるだけ。秋に間に合うかどうか、後は時間との勝負。間に合えば勝てるだろうし、間に合わなければ思うような展開にはならないだろう。
◇遠藤翔主将(経・4年)の話
――今日の試合を振り返って
大差で負けて、単純に僕たちが劣っていたのが点差に現れたと思います。
――収穫はありましたか
練習し続けている選手はパフォーマンスも上がっている。1カ月前できなかったことができるようになった選手が増えてきたのは収穫。ただ、秋シーズンに結果を残すにはこのペースでは難しく、危機感を持たなければならない。
――試合後、他の選手たちにどのような話をしたのでしょうか
結局は日々の取り組みがこのような結果になっており、ずっと負け続けて何が正解か分からないままという部分もある。ただ、例えばフィジカルを強くするには食べて筋トレしてという単純な答えが目の前にあるのに、ほとんどの人がそれを突き詰めてできていなかった。考えることはもちろん大事だが、結局のところ実行できていなかったのでそこを見直そうという話をしました。
――あと3カ月、必要なことは
やっぱり勝つことに意味があって、勝ちを目指さなければ何も見えてこない。現役選手として、何が何でも勝つという一番単純で一番大事なところにフォーカスしていきたい。