アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグ)は12月17日、1部上位リーグTOP8昇格を懸けたチャレンジマッチを日本体育大学と戦い、3-17で敗北した。東大は今季の全試合を終了。今季は強化した守備力を武器に1部下位リーグBIG8全勝としたが、TOP8昇格はかなわず来季もBIG8でプレーする。
東 大|0 3 0 0|3
日体大|7 3 0 7|17
終始流れをつかめなかった。最初にレシーブを選んだ東大だったが、リターナーがボールをファンブルし敵陣31ヤードで日体大に攻撃権を奪われる。一気に残り1ヤードまで迫られると、最後はエンドゾーンへのパスが決まり、開始早々先制を許す。
追い付きたい東大は第2クオーター(Q)、ショートパスを捕った荒井優志選手(文Ⅱ・2年)が誰もいない左サイドを駆け抜け、敵陣15ヤードまで攻め込む。これを27ヤードのフィールドゴール(FG)につなげたものの直後、日体大も53ヤードのFGを決めて再び7点差に。前半残り2分12秒で攻撃権を手にした東大は、藤原光汰選手(農・4年)へのパスと宮山賢済選手(農・4年)のランなどで前進し敵陣5ヤードで攻撃権を更新。タイムアウトを使いながら攻めるも、投じたパスがわずかにエンドゾーンに届かず時間切れでタッチダウン(TD)を逃す。
後半は開始直後の日体大の攻撃で自陣まで攻め込まれるも、ファンブルしたボールを拾い攻撃権を奪う。しかし得点を奪えずにいると、今度は自陣22ヤードでボールを奪われ相手に絶好機を与えてしまう。日体大はランプレーでTDにつなげ、点差は14点に。東大は第4Q、パントキックに見せかけたパスで攻撃権を更新するなど粘りを見せるも、直後のプレーで反則を取られ罰退。攻撃権を失うとそのまま時間切れとなり、TOP8昇格が断たれた。
総獲得ヤードは東大が282ヤード、日体大が213ヤードと相手を上回り、特にディフェンスは互角の実力を見せた。しかし、日体大が東大のミスからつかんだ好機を確実に得点につなげたのに対し、東大は時間配分を失敗して得点を逃すなど試合運びで差をつけられた。パントキックやキックオフでも、飛距離や相手のいないところに落とす正確さが段違い。相手を攻守交代に追い込んでもリターンでチームに勢いをもたらすことができず、終始日体大の流れで試合を進められてしまった。TOP8の実力を肌で感じた選手たちには、この経験を糧にさらなる向上を遂げて来季も昇格戦に臨んでほしい。
(文・竹内暉英)
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――今日の試合を振り返っていかがでしたか
悔しい負けですが、力負けですよ。自陣で2回ファンブルロストをしてTDに結び付けられた。うちは前半に相手陣に攻め込んでもTDを取れず、FGすら蹴れなかった。あそこでしっかりTDを取らないといけないんですが、これがTOP8との力の差ですよ。BIG8なら、タックルを食らってもあんなファンブルをすることはないですし、やっぱりハードヒットなんです。相手は全敗とはいえTOP8でいい試合をしてきていますから、そういうところでTOP8とBIG8の差が出ますね。そうはいっても流れをこっちに引き寄せられなかったのは残念です。トータルで力負けでした。
――どんなところにTOP8と一番実力差を感じましたか
やっぱりパワーが違いますよ。ディフェンスは頑張ったと思います。頑張ったけど、(オフェンスが)取るべきところで点が取れない。相手は強いタックルでファンブルロストを誘う。そこの差というのはものすごく大きいですね。
――12年間の監督生活はいかがでしたか
12年間、最初の年は2部でスタートしましたが全勝で1部に昇格し、11年間1部でプレーできました。おかげさまで公式戦通算では勝ち越すことができ、私個人としては良しとしなければいけないでしょう。来年は、私は1ファンとしてスタンドから応援します。
加藤快主将(農・4年)のあいさつ
1年間応援ありがとうございました。昇格の目標は果たせませんでした。それでも、ウォリアーズは強くなっていますし、後輩たちが夢を実現してくれると思います。これからも応援よろしくお願いします。
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