アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグ)は9月11日、秋季リーグ第1節を駒澤大学とアミノバイタルフィールドで戦い、43―11で勝利した。東大はフィールドゴール(FG)で3点を先制されるも、宮山賢済選手(農・4年)が2度のキックオフリターンTDを決めるなどビッグプレーを連発。ディフェンスは何度も自陣まで攻め込まれながらTDを許さず、大差で勝利した。竹之下健三監督によると、公式戦での1試合で2度のキックオフリターンTDは東大史上初。第2戦は9月24日午後2時からアミノバイタルフィールドで横浜国立大学と戦う。
東大|7 15 7 14|43
駒大|5 3 3 0|11
東大は最初の攻撃、ファンブルなどで前進できず、パントキックも距離を稼げずに自陣での守備を強いられる。相手のランで小刻みに前進を許し、開始5分過ぎにFGで先制される。しかしその直後、右サイド際でキックオフのボールを捕った宮山選手は、密集地帯を抜け出すと一気に加速して独走状態に。最後の一人もかわし、97ヤードのキックオフリターンTDで逆転する。
守備陣はランプレー中心の駒大の攻撃を粘り強く止めるが、自陣付近でボールを得た攻撃陣はスナップミスでボールを後ろにそらし、セーフティで2点を失う。さらに次の相手の攻撃でも自陣深くまで攻め込まれ、FGで7-8と逆転を許してしまう。相手に流れが傾く中、ここでも東大に流れを引き寄せたのは宮山選手。キックオフのボールを捕ると右サイド際を走り抜け、この試合2度目のキックオフリターンTDを決める。その後、荒井優志選手(文Ⅱ・2年)も52ヤードを走ってTDを決め、前半を22―8で折り返す。
後半は最初の駒大の攻撃で自陣5ヤードまで攻め込まれながら、守備陣が粘りを見せFGの3点にとどめる。すると直後、自陣43ヤードからのプレーでパスを捕った藤原光汰選手(農・4年)が、左サイドを駆け抜けてそのままTDを決め、引き離す。自陣8ヤードまで攻め込まれた第4クオーターには、村本静選手(法・4年)がパスをインターセプトするとそのまま98ヤードを走り、逆に東大がTD。最後は関野良樹選手(農・4年)が69ヤードのTDランを見せるなど大味な試合を展開して43-11で大勝した。
(文・竹内暉英)
主将の加藤快選手(農・4年)のコメント
勝ったことは良かったが、オフェンスでボールを3度失うなどミスが多くてこんな試合をしていたら昇格はできないと思うので気を引き締めたいです。宮山のTDなど、春に結果を出せていなかったキックチームが活躍できたのは良かったですね。オフェンスはミスを抜きにして考えれば、ロングゲインを取れたのは収穫だと思います。ディフェンスはTDを0回に抑えたのは良かったけど、3rdダウン、4thダウンといった勝負所で前進を許してしまうのがうちの現状なので、そこを修正したいです。
竹之下監督インタビュー
――今日の試合を振り返って
勝ったのは良かったです。初戦に勝つのは大きいですから。課題はオフェンスもディフェンスもいろいろありますね。キックチームを中心にロングゲインを取って、終わってみれば大差でしたけど、中身はまだまだです。最後のチャレンジマッチまで考えるとまだ8分の1。負けないで良かったということで、シーズンはこれからです。
――課題はどういったところでしょうか
オフェンスはイージーミスをなくすということです。最初のセーフティを取られたところとかね。ああいうスナップミスは、1万回やっても絶対やっちゃいけない。それとパスも、あれだけ練習したのに投げ切れていないと。一つ一つのプレーを大事にしないと、厳しい試合では致命傷になっていくのでね。それとリーグ戦というのは、やりたいプレーをやって気持ちよく勝つというのが大事です。1部上位リーグのTOP8は厳しく鍛えられていますから、このままではとてもじゃないけど入替戦で勝つことはできません。ディフェンスは、残り20ヤードを切ってからTDを許さなかったのは良かったんですけど、そこに至るまでの過程であれだけずるずる押されたらいただけないよね。その辺は大いなる課題です。
――春のオープン戦を終えてどのように取り組んできたのでしょうか
春の成績は良かったけど、参考試合だから。どのチームも試しているところなので、負けるよりも勝った方がいいけど、強豪に勝ったから秋もそのまま勝てるほど甘くはないです。だからリセットして臨んでいます。取り組んできたのは、フィジカルアップですね。アメフトは格闘技ですから、自信になってプレーできているのは間違いないです。
――今日の試合で一番良かった選手は
宮山でしょう。公式戦で2本のリターンTDを決めたというのは、WARRIORSの歴史でも初めてですよ。オフェンスがミスをして、ディフェンスも失点してと嫌な流れになっていたので、あれで流れを変えてくれたのは大きいです。
――他の選手はいかがでしょうか
(荒井)優志なんかも、スピードとセンスを持っていますよ。あとは関野も走れるし、村本もいるし、役者が例年になくそろっていることも事実です。一挙に流れを引き寄せられる選手もいて、楽しみなチームに育ってきましたね。
――次節の横国大戦に向けての意気込みをお願いします
去年は横国大には後半に大量点を取って勝ちましたが、前半は接戦で苦労しました。横国大は今年、昨年3位の拓殖大に勝っています。基本をしっかりやっているチームなので、うちもそれに対応するようチームを作っていきます。前半4試合を全勝で乗り切って、後半に向け弾みを付けたいですね。
2016年9月11日 23:00 【記事修正】 一部インタビュー内容を削除しました。
【2016年度オープン戦】
開幕戦→ アメフト部 2016年度開幕戦で学習院大に31―7で勝利
第2戦→ アメフト部 1部上位リーグ所属の明大に16-13で勝利
第4戦→ アメフト部、42得点で京大に快勝 対京大2連勝で通算成績を13勝43敗1分に
・監督インタビュー→ アメフト部、52年ぶり京大戦2連勝の要因とは 竹之下監督インタビュー