東京大学新聞社は各学部・研究科への問い合わせを基に、2023年度卒業・修了者の就職状況を集計した。民間企業の中では、学部卒業者はEYストラテジー・アンド・コンサルティング、大学院修了者はアクセンチュアがそれぞれ首位に。省庁への就職は、学部卒業者では財務省が最多。大学院修了者は国土交通省がトップだった。
※回答者数は学部 1047人、大学院 2752人。弊紙7月・8月合併号に全就職先一覧を掲載しています(電子版はこちら)。
学部生:トップ3をコンサルが独占 ゴールドマンサックス証券が急浮上
学部卒業者の就職先企業は前年11人だったEYストラテジー・アンド・コンサルティングが20人で最多。21年度の8人でのランクインから人数、順位ともに上昇している。22年度で1位の楽天グループは7人減の10人(9位)となった。
2位は大学院修了者で首位のアクセンチュア(17人)、3位はアビームコンサルティング(13人)とコンサルティング企業がトップ3を占めた。コンサルティング企業の新顔は11人で5位のデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーと8人で13位のボストン・コンサルティング・グループ、日本総合研究所。3社とも過去10年で初のランクイン。野村総合研究所は22年度13人(6位)だったが7人となり、18位まで下降した。
ゴールドマンサックス証券が11人(5位)で15年度以来のランクイン。日系の証券会社はいずれもランク外だった。商社は三菱商事(13人)、三井物産(10人)、住友商事(7人)がランクイン。銀行は22年度に20人で2位だった三菱UFJ銀行が6人でランキング圏外に。三井住友銀行は15人から10人に減少した。
省庁は財務省が14人で22年度から人数は変わらなかったが首位に。22年度は19人で1位だった外務省は13人(2位)に、2位だった総務省は18人から11人(3位)になった。4位の国土交通省は前年より6人増加の9人だった。
院生:野村総合研究所が倍増 アクセンチュアは人数も増加
大学院修了者では3年連続首位のアクセンチュアが前年から8人増加した49人となり過去10年で最多。野村総合研究所は人数を倍に増やし38人で2位となった。
中外製薬は22年度の26人(4位)から29人(3位)に。ソニーは23人(5位)から25人(4位)になった。22年度に30人(2位)だった日本IBMは14人となり18位まで後退。23人(6位)のキーエンスは20年度以来のランクインとなった。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは22年度の13人(18位)から20人で8位まで伸びた。他のコンサルティング企業ではともに14人(14位)でデロイト トーマツ コンサルティングが19年度以来の、ボストン・コンサルティング・グループが初のランクインを果たした。
省庁は国土交通省が人数を1人増やし12人で2年連続で1位。22年度は7人(2位)だった厚生労働省は4人(5位)になった。22年度は圏外だった農林水産省は7人(2位)。5人(4位)の総務省や4人(5位)の環境省も22年度圏外からランクインした。
《データの集計方法》
23年度卒業・修了者は24年3月卒業・修了者以外にも、23年9月卒業・修了者などを含む。
データは各学部・研究科への問い合わせを基に作成しており、各学部・研究科に報告していない者や、就職を辞退した者などの人数が反映されていないため、実際の就職者数と異なる場合がある。企業名などは学生の報告に基づく場合があるため、表記揺れが存在し得る。
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