東大は、米シカゴ大学とIBM、シカゴ大学とGoogleをそれぞれパートナーに、量子技術の研究領域の発展に向けた協力関係を構築する2本のパートナーシップに合意した。藤井輝夫総長が5月21日、ポール・アリヴィサトス・シカゴ大学学長やアービンド・クリシュナIBM会長兼CEO、Google VP Engineering, Quantum AIのハルトムート・ネーヴィン氏らと共に、広島市で調印式を行った。
東大とシカゴ大学、IBMのパートナーシップで、東大はシカゴ大学と量子情報科学や工学の研究、人材育成、イノベーションについて締結。量子センシング・量子コンピューティング・量子通信・関連する量子ハードウェアの技術開発、学部生・大学院生・教職員・研究者の交流などを行う。IBMとは、量子分野の研究・教育に関する協力を締結。IBMの量子コンピューターの利用機会の提供や共同研究、テスト機によるハードウェア技術開発・教育プログラムなどを実施し、IBMは東大に対して今後10年で5000万米ドル規模を投資する。
東大とシカゴ大学、Googleは、量子分野の研究・教育に関する協力に向けたパートナーシップを締結。主な内容は、Googleの量子コンピューター研究支援、研修プログラムやアントレプレナーシップ、起業への支援など。Googleは両大学に合わせて10年で最大5000万米ドル規模の出資をする。
東大は2020年に日本IBMと産学協創協定を締結。今年4月には合同で、127量子ビットのIBMのEagleプロセッサーを搭載した量子コンピューターを秋ごろ、「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター」(川崎市)に北米以外で初めて稼働開始すると公表した。