硬式野球部(東京六大学野球)は10月27日、法政大学と2回戦を戦い、4-6で敗れた。東大は主軸の活躍もあって一時3点差をつけるが、連投となった小林大雅投手(経・4年)が捕まり逆転負け。4年生にとって最後の試合となった。今季最下位が確定している東大は、これで引き分けを挟んで42連敗。2017年秋季法大2回戦以来2年間勝ち星を挙げることができていない。
法大|000100212|4
東大|102001000|6
勝:三浦(法大) 負:小林大(東大)
この試合に勝って翌日の3回戦で勝ち点奪取を狙いたい東大。試合前まで20イニング連続無得点となかなか当たりが出ていなかった打線が初回から奮起する。先頭打者で主将の辻居新平選手(法・4年)が初球をたたき、中堅手の頭を越える二塁打で出塁。次打者の犠打で三塁まで進む。続いて打席に入った石元悠一選手(育・3年)が外野に大きなフライを放つと、相手中堅手が落球。その間に辻居選手が生還し、先制に成功する。
打線は三回にも相手投手を攻める。1死から辻居選手が中前打で出塁すると、笠原健吾選手(文・3年)も右前打で続く。1人凡退の後打席に立ったのは、4番の青山海選手(育・4年)。初球の変化球を思い切り引っ張ると、打球は左中間を破り2点適時二塁打に。序盤から3点のリードを奪う。
先発の小林投手は、大学4年間で未勝利ながら1回戦で8回3安打2失点。二回と八回以外走者を出さない好投を見せた。この試合は1回戦とは異なり初回以外は毎回走者を背負うが、粘りの投球で的を絞らせない。四回には2死二塁から右中間に適時二塁打を浴びるが、後続を抑えて最少失点にとどめる。小林投手は打者としても活躍。六回2死二塁の場面で打席に立つと、2球目を詰まりながらもしぶとく引っ張って右翼線に適時打。再び3点差とする。
しかし七回、連投の疲れからかここまで1四球と安定していた制球が乱れ始める。1死後連続四球を与えると、重盗などで2死二三塁のピンチを背負う。ここで迎えるのは1回戦、2回戦共に二塁打を喫している齊藤大輝選手(1年)。相性の悪い打者を前に小林投手は踏ん張りたかったが、134キロの直球を左中間に運ばれ、2点適時二塁打で1点差に。八回には先頭打者に右翼へのソロ本塁打を放たれ、ついに同点とされる。
「未勝利の小林を勝たせたいという気持ちはもちろんあったが、場合に応じて継投することも考えていた。試合の状況を見て、控え投手の力を考慮すると小林続投が最善だった」と試合後話した浜田一志監督は、九回も小林投手をマウンドへ送る。しかし小林投手は先頭打者に左前打を許すと、続く斎藤選手にまたも直球を弾かれて逆転適時三塁打を浴びる。小林投手はその後も1点を失い2点差で最後の攻撃に託す。
九回の攻撃では簡単に2死とされた後、代打の森末雅也選手(理Ⅱ・2年)が粘りを見せる。1ボール2ストライクから6連続ファールで次打者につなげる意識を見せるが、最後は変化球を引っ掛けて一ゴロ。これで試合終了となり、全敗で今季を終えることになった。17年秋法大2回戦での勝利以来勝ち星がない東大は、引き分けを挟んで42連敗。小林投手や辻居選手といった主力が抜けるものの、来季での連敗ストップを目指したい。
◇浜田監督の話
七回以降のピンチでは小林投手に「お前しかいないから」と声を掛けていた。惜敗が多かった今季も勝ちがなかったのは監督の責任。選手は能力を出し切った。来季は主力が抜けるが、個々人が努力を積むことにより、新戦力は生まれると思う。
◇辻居主将の話
━━個人としてマルチ安打
これまでの試合では「チームのために自分が打たなければ」と気負って結果が出ていなかったが、今日は「周りのチームメートも頼もしいし、とにかく自分を信じよう」と思い打席に立ったことで結果につながった。
━━主将として今季を振り返って
現チームでは100%の力を出せたと思うし、頼りがいのある仲間がそろうチームの主将としてやっていけたことを誇りに思う。ただ、それでも勝てないのが六大学のレベルの高さを示していると思う。来季は「勝ちの難しさ」を胸に刻んで、試合に臨んでもらいたい。
(湯澤周平)