「安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動」が、31日永田町にて行われた。砂防会館にて行われた共同集会は、1200名定員のフロアーに人があふれていた。
「廃案に持ち込むまで戦おう」
まず冒頭にSEALDs(Students Emergency Action for Liberal Democracy-s)のメンバーである、神戸大学の大学院生、須田さんがスピーチを行った。
「本気で国民の平和を考えているわけではない」「首相が作り出す社会で、生きていきたくはない」と指摘した。
続いて、日本学術会議会長を歴任し、東京大学名誉教授、現専修大学法学部教授の広渡清吾さんによるスピーチが行われた。氏はSEALDSに「国民を大きく勇気づけた」と連帯のエールを送り、また首相を「法案を理解していないバカ」「国民の目をごまかそうとする嘘つき」と指摘し、会場から喝さいを浴びた。
「自分の思うがままに世界を理解している当内閣を許すわけにはいかない。9月末に法案を廃案にするまで、一緒に戦いましょう」とスピーチを締めくくった。
「日本中で、次世代の民主主義を予感させる産声が聞こえている」
続いて、同志社大学教授、岡野八代さんがマイクを握った。
「民主主義は悲鳴をあげている」との言から始まったこのスピーチ。
自身が専攻とする政治思想史を紐解き、「民主主義は政治学の誕生と共に生まれた、政治におけるもっとも古い概念の一つ。ただ、これほど毀誉褒貶にまみれた概念も珍しい。その原因としては民衆の支配への恐怖心へと軽蔑と、民主主義は最悪の統治形態にもなりうることへの不安感があると思われます」
と述べた後、「SEALDSのデモにおけるコールで、『民主主義って何だ?』というものがあります。民主主義という言葉が、社会のなかでこれほどこだましたことがあったでしょうか。
私の考える『民主主義」とは、『私が作った法にしか、従わなくてよい仕組み』のことです。だから人は、法の下でも自由でありうるのです」
その後も学生によるスピーチは続き、会場は多いに盛り上がった。
最後に、坂本龍一氏からの「この法案改正はクーデターに近いが、市民の間で法案に関する議論が活発になった。私はそこに希望をみたい」と、前向きなメッセージも寄せられ、集まった学生・学者は国会請願デモへと繰り出した。
(文責 沢津橋紀洋)