東京大学新聞社は、各学部・研究科への問い合わせを基に、2016年度卒業・修了者の就職状況を集計した。学部卒業者の就職先で最も多かったのは三菱東京UFJ銀行で、大学院修了者ではトヨタ自動車がトップだった。中央省庁への就職は、学部卒業者では財務省が、大学院修了者では国土交通省が最多だった。
学部卒業者の就職先企業では、11~14年度の集計で4年連続1位だった三菱東京UFJ銀行が28人で1位に返り咲き。15年度の集計で1位だった三井住友銀行は3位に順位を落とした。15年度7位だったみずほフィナンシャルグループが順位を大きく上げたことで、トップ3をメガバンク3社が独占することになった。その他、10位以内には銀行・商社・保険などが並び、前回と顔ぶれはほとんど変わらない。
前回20位以内にランクインしなかった電通が、前回の5人から10人となり、10位に上昇した。電通は昨年、東大出身の女性社員が過労の末自殺したことが判明し注目を集めたが、ランキングからは東大生からの変わらない人気がうかがえる。
大学院修了者では、トヨタ自動車が37人で1位に躍り出た。対照的に、前回まで7年連続トップだった日立製作所が首位陥落。日立製作所は14年度から48人→40人→34人と徐々に人数を減らしており、トヨタ自動車は同15人→27人→37人と人数を増やし続けていた。
大学院修了者は、学部卒業者に比べランキング上位の入れ替わりが激しかった。前回7位の日本IBMや前回9位のヤフーなどが上位20位から姿を消した一方、コンサルタントの多国籍企業であるアクセンチュアが3年ぶりのトップ20入りで3位にランクイン。さらに野村総合研究所やアステラス製薬なども、前回は20位以内に入っていなかった。
中央省庁の就職者数は、学部卒業者では昨年1位の総務省が3位に後退し、昨年6位の財務省がトップに。その他の上位層は国土交通省、経済産業省、警察庁などあまり変化がなかった。大学院修了者では前回に続き国土交通省が13人でトップ。前回5位だった特許庁が2位に躍進し、14年度と同じ順位に戻った。
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《データの集計方法》16年度卒業・修了者は17年3月卒業・修了者以外にも、16年9月卒業・修了者などを含む。データは各学部・研究科への問い合わせを基に作成しており、各学部・研究科に報告していないものや、就職を辞退したものなどの人数が反映されていないため、実際の就職者数とずれが生じる場合がある。一部の学部・研究科では進学者数が未公表になっている。
2017年7月15日11:00【記事修整】誤植「多国籍貴業」を「多国籍企業」と修正しました。
この記事は、2017年7月4日号に掲載した記事を再編集したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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